月別アーカイブ: 2011年10月

iOS 5のオーディオ新機能

世の中iOS 5といったらiCloudだSiriだと騒いでいますが、オーディオの新機能も実は結構あります。とりあえずどんなものがあるかだけ書いておきます。

AudioUnitプラグイン

AudioUnitのプラグインがかなり追加されてます。Macでは以前からあるもののサブセット的な感じです。

【Generator】
・ScheduledSoundPlayer
・AudioFilePlayer

【MusicDevice】
・Sampler

音を再生するものはGeneratorとMusicDeviceですね。特にSamplerはSoundFont&MIDI対応のプレイバックシンセなので、SoundFontを作ってしまえばMIDI対応も簡単にできてしまいます。「なんとかピアノ」とか「シンギングなんとか」とか、AVAudioPlayerで無理矢理つくるんじゃなくて、これ使った方が良いです。AudioFilePlayerは、これはこれでいいんですが、使い方が独特ってのもありますし、個人的にはAudioQueueのAudioUnitプラグイン版を作ってほしいなぁと思います。

【FormatConverter】
・VariSpeed
・iPodTimeOther

僕は使ってませんが、VariSpeedつかえば再生スピードの変更も簡単です。AUConverterでも良いんじゃないの?と思うかもしれませんが、VariSpeedならスピードを変えたときにプツっとならずにスムーズに変わります。ただ、すごく速くとか、すごく遅くとか出来ませんので、「Touch the Wave」でやってるようなスクラッチを実現するのは難しいです。

iPodTimeOtherというのは「Touch the Wave for iPad」でも早速使っています。iPodTimeよりもクオリティの上がったタイムストレッチです。

【Effect】
・LowPassFilter
・HiPassFilter
・BandPassFilter
・HighShelfFilter
・LowShelfFilter
・NBandEQ
・ParametricEQ
・PeakLimiter
・DynamicProcessor
・Reverb2
・Distortion

Effectは、半分くらいEQですが、結構増えました。リバーブの追加はうれしいです。

プラグインがこれだけ用意されていると、ようやくAUGraphの便利さが活用できそうです。はっきりいって今までは、RemoteIOだけ使って全部自分で作んなくちゃいけませんでしたから。

MusicPlayer

MIDIシーケンサーです。SMFが読み込めます。中にSamplerを含んだAUGraphを持っているので、入れ替えてあげれば自分で用意した音も鳴らせます。もちろんMIDIメッセージだけ再生させて利用する事も出来ます。

MIDINetworkSession

MIDINetworkSessionがシミュレータに対応してます。実機につながなくてもMacだけでMIDIの送受信ができるので、デバッグが楽になるんじゃないでしょうか。あとiOS4だとMIDINetworkSessionってMIDI使い始めたら勝手にオンになっていたと思うのですが、iOS5だとちゃんとenabledをYESにしたりとかしておかないと使えないみたいです。

Float32対応 (2011/10/23追加)

iOS 5からAudioConverterがFloat32対応になっています。上記でも紹介したAudioUnitプラグインなどは、floatにしか対応していないようです。AUGraphなんかでつなぐ場合はあまり意識しなくても良いのですが、整数で用意したデータを渡すときにはAUConverterを前に挟み込む必要がありそうです。

Touch the WaveのiOS 5向けアップデート公開

Touch the Wave 2とTouch the Wave for iPadの両方とも、iOS 5以降対応のアップデートがリリースされました。(と書いている段階では、まだiOS 5はリリースされてませんが)

Touch the Wave for iPad v1.1
Touch the Wave 2 v1.3

Touch the Wave for iPadの方は、iOS 5の新機能に対応させてます。リバーブとタイムストレッチです。それに合わせて、レイアウトの変更や、細かいところのバグ修正もしてます。

それと、しばらくセールやってましたが終了です。

Touch the Wave 2の方は、オーディオファイルがiCloudのバックアップに含まれてしまうから別のところに保存しておいてね、とAppleさんからメールを頂いたので対応しただけのバージョンです。とくに機能の変更はありません。

iOS 5では、今回アップデートで入れたリバーブなども含めて、Core Audio周りでかなり新機能が増えているので、近いうちにまとめたエントリを書こうかなと思っています。